はじめに
あなたの職場は、なぜか残業がなくならない部署ばかりではありませんか?
その裏には、**他部署との人員の引っ張り合いによって全社的に残業が固定化する「残業スパイラル」**が存在する場合があります。
この現象は、放っておけば終わりません。今回は、その構造と問題点、従業員が取るべき戦略、そして改善策まで整理します。
1. 残業スパイラルの構造
- 忙しい部署が他部署から応援要員を引っ張る
- 人を取られた部署は人手不足で残業が増える
- 「残業しないと人を守れない」という空気が全社に波及
- 結果:残業が全社の暗黙ルール化
こうして「誰も望んでいないのに全員が残業」という構造が完成します。
2. なぜスパイラルが発生するのか
計画性の欠如
- 上層部が全体最適な人員計画を持たず、場当たり的な応援で対応。
- 長期的な改善ではなく、短期的な火消しを繰り返す。
残業を評価する文化
- 残業する部署が「頑張っている」と評価される。
- 効率よく終わらせる部署は逆に人を引き抜かれる理不尽な構造。
業務改善が後回し
- 残業で回せるため、抜本的な改善は先送りされる。
3. 従業員が取るべき立ち回り
短期:波風を立てずに守る
- 無理な対立は避けつつ、健康とプライベートを守る。
- 睡眠・食事・体調管理は、長時間労働を乗り切る最低条件。
中期:改善材料を集める
- 残業時間や応援人数などを数字で記録し、客観的な材料を確保。
- 社内ネットワークを築き、必要な時に情報やサポートを得られる体制を作る。
長期:環境を選ぶ準備
- 部署異動のチャンスを狙う。
- 改善が見込めない場合は、転職・副業など外の選択肢を準備する。
4. 改善案(会社視点)
人員計画の再構築
- 応援前提ではなく、繁忙期や欠員に備えた計画的配置を行う。
評価制度の見直し
- 「残業時間」ではなく成果・改善・効率を評価に反映。
業務の標準化
- 各部署の業務を標準化し、応援が入っても負担が軽減される仕組みを作る。
5. 離れるべきかの判断基準
- この職場にあと3年いたら、自分のキャリアや生活は良くなっているか?
- YES → 残留も選択肢
- NO → 離脱準備開始
離れることは逃げではなく、次のステージに進むための戦略です。
まとめ
残業スパイラルは現場努力だけでは解消されません。
従業員は短期的には状況をやり過ごし、中期で改善材料を蓄積し、長期では自分の将来を見据えた環境選びを行うべきです。
上が変わらないなら、自分が変わるか、環境を変える準備を始めましょう。
最近、残業のあり方について考えさせられる日々が続いています。
部下の意見も理解できますし、会社の考えも長く勤めている分、わからなくはありません。
しかし、その間で板挟みになることも多く、どう行動すべきか悩むところです。
私ひとりの考えで何かが大きく変わるわけではありませんが、それでも思うのは——
残業をしなくても仕事が回る体制を整え、残業が前提ではない会社になってほしい、ということです。
コメント